転校
はな 

さぼりぐせのある小学生でした
うそつきでした




さんかくじょうぎが さみしくて
青の奥
散らかってゆく雲
君がつくえに立ってふざける
ちいさな教室


きいろいかみさまが
たまに降る
校庭のすみから
すこしずつ濃くなってゆく夏
あたしの黒いらんどせる
君のおさない息づかいは
ぬらして、ゆく


かえりみちは
君の影をふみながら
ざわざわして あたたかい煙の立つ
君の家へ帰る
ざらざらとした 
柔らかい
だれかの声を いつまでもきく
教室よりも
少しおとなしい君を
白い肌を
つぶやくたび こわしたくて


つないだ手はやわらかだった
君は拗ねたように
だまって
あたたかい家へ はしっていった


青い、そらに
しずんでいるむすうのほし
ひとりになるたび
そっと掌におりて
からっぽのうつわになれ



どうして か

日をあびた草と
うんどうじょうと
おかあさんの 
においのまざった かみのけ
だれもやらない悪役を
目立つから とまっさきに手を上げて
にんまり笑った
横顔



ほら
こわくない なんて
あたしはいつも
思ってもないことばかり 言っていたのに




うそつきな 
小学生でした

君が好きでした








自由詩 転校 Copyright はな  2005-11-27 00:37:06
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