不和誘導
本木はじめ
きみが目を閉じても風は草原を夜空を海を旅してまはる
涸れてゆく泉にきみの瑠璃色の絶唱とわに不滅の予感
雨の駅、雨のバス停、雨の庭。きみが出てくるゆめの土砂降り
猟銃は錆び付き森は暗緑のほほえみ持ちてゆるやかに抱く
世界中の夜を調律し終えるまで絶やすなほのおのごとき独唱
手にはゆび顔にはひとみがあるからだ青空病のきみのほほえみ
にじかんたらずでたどりつくひかりのもとをたどるたびきみがうまれるまでのぜつぼう
青空の耳を探しているきみよ意味を失え音だけに鳴れ
美しいひとを見たんだ工場で大量生産されてる蝶と
生まれ変われない生まれ変われない生まれ変われない誰も死なない日などないのに
白い部屋という名のきみが汚染という名前のぼくを真っ白にした
白い部屋という名のきみの青だからむしろ包丁など要らない
白い部屋という名のきみが抱きしめる冷たい鏡の中の轟音
ぼくがふみこめないきみのくうかんが((どこ(かの))ど)こ)か)(の)))うつくしくしぬ
計算機こわれてしまうよるだからもう二度とうまいことは言わない
お風呂に入りますお風呂に入りますお風呂に入りますこのゆめが覚めたら