岸
ミゼット
さわ子は鬼になった
八つの頃にかたちを変えた
さわ子という名の赤い鬼
背骨のあたりに取り付いて
わたしにぬすめとつぶやき囁く
母は知らない
父も知らない
さわという名の赤い鬼
背骨のあたりに取り付いて
わたしにぬすめと囁きせかす
わたしのゆびが
魚を捕らえる
わたしのゆびが
チョークを掴む
さわ子がわらう
わたしもわらう
チョコレートをほおばりながら
膨らんだ腹を抱え、ひとり、午後に
自由詩
岸
Copyright
ミゼット
2005-11-22 21:21:53
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