僕らって何億個もの細胞を失う為の焼却炉だね
ピッピ
天気雨のようにあなたは現れて見えない傘をさす真似をする
歯車のひとつに過ぎぬと言われ空回りするぞと誓う冬の日
廃校の窓に貼られたガムテープ二度と夜空が割れないように
ぶつかった僕もちんぴらあなたとは違う世界の言語と意味で
せつなさよ、父にもらったタイガース優勝セールのタオルの虎よ
「会ってみたいひとは誰?」ってコンビニのレシート入れを考えたひと
来世は害虫でもドラゴンでもいいから。すぐに殺されてもいいから、飛んでみたいの
生きていることを確かめたくて冬空の真下で剥いたさかむけ
白髪の巨大な鬼のごとく在れ冬の孤島の廃れた校舎
凍りつくきみの瞳もマスカラも冬の洗礼ごときの前に