ある晴れた日にわたがしを買う
haniwa

いいとしして駄菓子屋に入って
こどもたちにまじって綿菓子を買って
カライきみをあじわった後は
これで昨日をわすれてみようって

手にとったそれは
冗談みたいに軽くて
あとじゅうえん、あと十円とはしゃぎながら棚の間を駆け回る子供たちを見ていると
こどもを抱いたことのないわたしは
それは、そうか、ムクの軽さなのかなともおもう
ジッサイにはきみたちは重いらしい


でもほら、青空と綿菓子と子供


ジッサイとかどうでもいいじゃん?
ちょっとだけそんな日があっても
ちょっとだけカラさをわすれても
そうやって軽くなってみたって

なんてごちゃごちゃ考えながら綿菓子を食んでみたら

甘かった。
ねえ聞いて。
甘かったんだ。


自由詩 ある晴れた日にわたがしを買う Copyright haniwa 2005-11-20 18:09:24
notebook Home 戻る  過去 未来