澄んだ光の菜の花 そうしてかざした手のひら
数を数え飽きたらすぐに ここまで走っておいで
守り手
似たようなところで笑うぼくたちと違う螺旋を持っている義姉
廃園で壊れた風とたわむれる姉と真白き蝶と青空
名付ければひとつの罪となることを 仔猫の義父となるゆめ覚めて
約束の時間は過ぎて弟は降りしきる雨粒を数える
妹の蹴ったバスドラムの音に痙攣しているえんげきぶいん
帰郷する故郷の庭に深い深い巨大な廃墟のような父親
母そして海は遠くで鳴るだろうこの手にいつしかつかむべき詩も
行ったことないのになぜか懐しい向日葵畑は祖父の記憶か
あきらめてばかりの兄があきらめてばかりの友に語る来世を
若かりしころの写真の祖母の手の花は何色だったのか問ふ