【短歌祭参加作品】 追伸 : さがさないでください
望月 ゆき
ヘッドフォンから流れでる星を聴く白む空に祈る午前5時
昼過ぎの日ざし出窓の水槽でスプリングして七色プリズム
空の手前でカーヴしてはくりかえす「はなれたくない」ロケット旋回
まき散らす飛沫があなたを濡らすのを土星の輪に腰かけて眺める
ボタン操作ひとつで好きにも嫌いにもなれるはずもなくリモコン睨む
幾千の雨粒たずさえ蜘蛛の糸星のない夜の星座となりて
浴槽のふちあふれだすぶどう酒に肩まで浸かってサングリアの夜
湯気のたつコーヒーカップと角砂糖座る者なき椅子で冷めゆく
月の海深く潜りし頃の夢ガリレオよりもずっと昔に
1000年の後にあなたの素粒子と待ち合わせしようアンドロメダで