サンドウィッチ
大覚アキラ

爆音と情事を
3つずつ交互に重ねて
その上から別れ際のキスと
夜の高速道路のオレンジの光を
少しだけ散りばめてみる

本当は
やさしいモノとか
フワフワした心地よいモノとか
ぬくもりとか
愛とか
そういうのだけがほしいのに

どうしてなのかしら
生臭いものとか
残酷で痛々しいものとか
汚いモノとか
死とか
そういうのが間に挟まってないと
食べる気がしないの

先生わたしは病気ですか

爆音と情事を
3つずつ交互に重ねて
その上から呪われた詩人の涙と
死刑囚の最期の言葉を
少しだけ散りばめてみる

世界は
生臭いやさしさとか
フワフワの残酷とか
心地よい痛々しさとか
汚いぬくもりとか
愛とか
死とか
そういうモノで
満たされてゆく

なかなかいい感じですね

昼下がり
安っぽいランチについてくる
萎びたサラダにかかっている
精液みたいな色のドレッシングに
フラッシュバックする
昨日の

狭い
部屋の
窓の
日焼けした
カーテンの
隙間から
射し込む
ネオンの



黄ばんだ
タイルの
目地
染みだらけの
バスタオル
ひび割れた
便器
バスタブの
縁に
こびりついた
茶色くなった
血液と
正体の
よく分からない
粘り気のある
モノ

嘔吐する
お肌つるつるの女子高生
嘔吐する
お肌つるつるの女子大生
嘔吐する
お肌つるつるのOL
嘔吐する
お肌つるつるの人妻
嘔吐する
お肌つるつるのウサギのぬいぐるみ
嘔吐する

爆音と情事を
3つずつ交互に重ねて
その上から世界がそれを愛と呼ぶモノと
ガソリンを
少しだけ散りばめて火を放つ

食えたもんじゃねえな
コレ


自由詩 サンドウィッチ Copyright 大覚アキラ 2005-11-14 11:45:05
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