*木枯らし一号*
かおる

おとといまでのぽかぽか小春日和から一転
きのうはどんよりと冬枯れが
凝ったような空模様で
天気予報も縞模様を
綺麗に入れる為か
季節の針を先に進める一押しか
下り坂に向かう予想
朝、カーテンを開ける前から
雨がリズミカルに謳っていた

10年越しの愛を祝う門出に
雨降って地固まる例えの通り
バタバタしながら
日常を塗り込め
晴れ着の鎧を装ううちに
いつの間にか雨は止んでいた

あらしの余波なのか
はたまた 世間のしがらみだろうか
木枯らしが 落ち葉といっしょに
塵と涙 芥とおもいまで まきあげて
足早に歩いていくコートをくすぐっていった
そして 今 スコーンと抜けた
あおいそらを 見上げる


自由詩 *木枯らし一号* Copyright かおる 2005-11-13 12:14:26
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