包装
A道化






パッケージが
破かれてゆく
微かな期待に
苛立った指で


どこにも
何も
入っていない
ということが
からだに向かって開け放たれ
明らかになっても
明らかになっても
次々と
次のパッケージが
破かれてゆく


笑えるように、なってしまうのさ
残骸を


その頃には
諦めながら破くんだ


たいていの残骸は
首から順に落胆し、冷却されてゆくばかりの
背骨のように
或いは、音を減速させながら脱力する銀紙の
最後の無音の硬直のように
自然に
残骸の形にならなくてはならなかった


パッケージは
破かれてゆく


けれど
笑えるようになるさ


最初に
何かに
包まれ始めたときからずっと
廃墟に適してゆく過程なんだ



2005.11.12.


自由詩 包装 Copyright A道化 2005-11-12 18:07:21
notebook Home 戻る