少年観覧車
塔野夏子

めぐっているのは
時ではない
 
願うこと求めること欲すること

知っていても
祈ることはいまだ知らないのだから
 
憧れるほどに
まなざしは遠ざかる
破滅的な情緒で
恋をする
 
知らない翼に
いざなわれて
 
絶望よりも残酷な夢のなかへ
 
めぐっているのは
時ではない
 
永遠をいちばんよく知っている
のに
それを知っていることには
気づかずにいるのだから





個人サイト「Tower117」掲載





自由詩 少年観覧車 Copyright 塔野夏子 2005-11-11 22:46:36
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