冬のひとひら
銀猫
幾重もの等圧線の下で
雪虫たちは急いて冬を配り
息を白くするあしたは
ドアの外で待っている
羽根のように
踊り
うたう
白のひとひらは冬の鱗
北のまちでは
夏の半分と
秋は重なって
便りの遅れを挽回するらしい
きみの小さなコーヒーカップで
希望のような湯気は生まれ
無機質なキーをなぞる親指に
温みが灯る
海峡を越えた小さなディスプレイの中で
絵文字は声を持ち
凍えたこめかみに
ときめきを誘う
冬のひとひらは愛の鱗
きみ
から
の
自由詩
冬のひとひら
Copyright
銀猫
2005-11-06 16:20:54
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