虹村 凌

もしも不二家のペコちゃん人形に
高速パイルドライバーを仕掛けて
世界の不条理を叩き込もうと暴れる豚がいたら
それはきっと俺だから
「落ち着けよ」って言ってやってくれないだろうか

仮面をつけて生きるのが苦しいって言って
何処か別の場所でも何かしら仮面をつけてるのが現状
一番奥の便所で「紙が切れた」って言って
無表情のピエロみたいに泣いてる豚がいたら
それはきっとは俺だから
「これで拭けよ」って言って
便所紙を投げてやってくれないだろうか

生きてちゃいけない気がする
けれど
死んじゃいけない気がする
次々と豚が噛み付いては
嗤いながら去ってゆくんだぜ

殺意も愛情も無い日が過ぎてゆくよ
足がどんどん地を離れてゆく
もがけば もがくほど!
仕方なしに今日もベッドにもぐり 震えている豚がいたら
それはきっと俺だから
「泣くんじゃねぇよ」って言って
寝るまで傍にいてやってくれないだろうか

もしもケンタッキーフライドチキンのカーネルおじさんに
高速でコブラツイストを仕掛けながら
世界の理不尽や真理、定説をわめいている豚がいたら
それはきっと俺だから
「落ち着けよ」って言って
煙草の一本でも分けてやってくれないだろうか

それはきっとお前だから


自由詩Copyright 虹村 凌 2005-11-06 09:22:31
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