鏡目録
こしごえ



鏡に沈む
愁いは波紋となって
私を揺らす

深さの計り知れない底から
ひきあげて
ひきあげて起し
唇に秘密を添えて
黒髪を噛み薄ら笑う
見苦しくはないかと

歪なのは私であって
鏡の静寂は平面している

私のためでもなく
貴方のためでもない
身嗜みだしなみの
化粧を洗い流すと
素顔そのままの姿でここにいた




自由詩 鏡目録 Copyright こしごえ 2005-11-06 08:52:08
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