はりぼての宇宙
はな
遠い日に君がこわした子供椅子座せばぐらつく脚も変わらず
リモコンを人魚に渡すもう何もほろぼさないで漂っている
かえりみちポケット忍ばすスプリングみちくさしてもまだ朝がくる
オムライスあなたがえいっ、と描くのはすっぱく赤い土星の輪でした
寒い夜に星が凍って「こおりぼし」口を開いてあなたの分も
折り紙のロケット飛ばす朝のこと上空遥かの夢を見ていて
夕刻に父は日本酒なみなみと未成年の娘に突き出し
満天の星をはらんで東京のつめたき窓に素粒子の降る
かなしみもいつかはとけてゆくだろうガリレオの見た円い世界で
あのね手をつないだときに気づいたの心臓の音、千の