*風よ ふけ*
かおる
うららかな小春日が微笑み
空が蒼く透きとおり
宇宙の果てが大きな口を開けると
風が乙女を呼ぶ声が聞こえる
こんな日はお布団でも干しましょう
この頃、冒険談がいっぱい詰まった
世界地図を見かけなくなったな
何となく人恋しくて
しまい込んでいた炬燵も
ついでに出しておく
コトコト煮込んだ
あったかお鍋を囲んで
ふぅふぅしながら
一日の出来事を振り返る
お日様のシャワーをたっぷり浴びたベッド
一人寂しくシナモンの効いたホットワイン
ほんのちょっぴりの幸せに酔い
更けゆく夜はまだ始まったばかり
ほっこり火照って窓を開ける
風に乗って
欠けたひとひらの薫りが
溶け出した夜から聴こえてきた
お〜い、元気かぃ
おやまにはもう風花が舞い始めたって