*風よ ふけ*
かおる

うららかな小春日が微笑み
空が蒼く透きとおり
宇宙の果てが大きな口を開けると
風が乙女を呼ぶ声が聞こえる

こんな日はお布団でも干しましょう
この頃、冒険談がいっぱい詰まった
世界地図を見かけなくなったな

何となく人恋しくて
しまい込んでいた炬燵も
ついでに出しておく
コトコト煮込んだ 
あったかお鍋を囲んで
ふぅふぅしながら
一日の出来事を振り返る

お日様のシャワーをたっぷり浴びたベッド
一人寂しくシナモンの効いたホットワイン

ほんのちょっぴりの幸せに酔い 
更けゆく夜はまだ始まったばかり
ほっこり火照って窓を開ける

風に乗って
欠けたひとひらの薫りが
溶け出した夜から聴こえてきた

お〜い、元気かぃ

おやまにはもう風花が舞い始めたって


自由詩 *風よ ふけ* Copyright かおる 2005-11-04 08:30:49
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