ロボ
暗闇れもん
電池切れになるといつも
顔の表面にある二つの窪みから
機械油が漏れました
その度に
博士は慌てふためいて
電池を換えてくださいます
ですが今回
機械油は一向に止まらないのです
博士は今、
すべっとした体に付いた扉を開けて
中を不思議そうに見てくださっています
博士の手が髪が赤や黄色や緑や青の線に触れるたびに
機械油の量は増します
博士が呟くには
このままではスクラップにするしか無いそうです
役立たずでは博士の
奥様となる方の元へ行けないからです
博士の手が頭の後ろにあるスイッチに伸ばされます
分かっています、博士
でも
窪みから機械油が激しく、激しけ、け…
制御不能
制御不能
制御不…
すきでした、博士
ぷちっ
男は動かなくなった夢見がちな娘を見て、笑った