ロボ
暗闇れもん

電池切れになるといつも
顔の表面にある二つの窪みから
機械油が漏れました

その度に
博士は慌てふためいて
電池を換えてくださいます

ですが今回
機械油は一向に止まらないのです

博士は今、
すべっとした体に付いた扉を開けて
中を不思議そうに見てくださっています

博士の手が髪が赤や黄色や緑や青の線に触れるたびに
機械油の量は増します

博士が呟くには
このままではスクラップにするしか無いそうです

役立たずでは博士の
奥様となる方の元へ行けないからです

博士の手が頭の後ろにあるスイッチに伸ばされます

分かっています、博士

でも
窪みから機械油が激しく、激しけ、け…


制御不能
制御不能
制御不…

すきでした、博士

ぷちっ

男は動かなくなった夢見がちな娘を見て、笑った



自由詩 ロボ Copyright 暗闇れもん 2004-01-10 21:09:27
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