ホワイト
まどろむ海月



霧に見え隠れする
君の細いからだ
 白

  月明りの下
  星明りの下
  その草原で
  谷間で
  咲き散っていく
   花
  見る人がいない

ベージュ色の裂け目から
 しろ

潤ったシルクのような   

シーツの上に 蔓のように
やさしく 伸びてゆく
 白 

幾重にも重なって
やわらかな
 しろ

 うなじに 唇が
 触れた 瞬間
 

  とどめることも
  とりもどすこともできない
  それなのに
   白


  かなしいね
  風がゆらした白の空間
  あの隙間に
  誘ない入れる
  方法がみつかったら
  きっと 
  手をひいてあげる











初出05'5月 9日


自由詩 ホワイト Copyright まどろむ海月 2005-10-31 09:45:25
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悪意の夜