月波楼
流人


円くなる月に気持ちを照らされ
遠のく月に寂しさを募らす

秋は深まり
吹き抜ける木枯らしに
人肌恋しと月を見上げる

煌めく星は
人知れず深遠になり
恋焦がれる気持ちは募るばかり

幾千の時をかけ
皆が皆、月を見上げて
思案する

過ぎゆく時の儚さに
思いを秘めて
月の写像を脳裏に映す

深まる秋に

水面の月は揺れている


自由詩 月波楼 Copyright 流人 2005-10-29 17:19:00
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