【短歌祭参加作品】星の音
一代 歩

宇宙では人は一人と気づくはず 濃い闇のなか手もつなげずに

幾千の星ひとつずつ消えゆくをともに見ようか願いなどせず

音楽が鳴り止んだから席を立つ 椅子取りゲームは不参加の君

リモコンで強制終了させられて待機電力消費する吾

スプリングひとつ失くして未完成 足りないものをそらに探して

身を削り常に前進、逝き先は想像しない無人ロケット

あなたならきっと動かず流れない星となってもガリレオのまま

幼き日特別だった土星の輪“宇宙”といえばあの輪描いて

星のが聞こえますかと訊きし彼 去りしそばから届く音色よ

素粒子と成りても吾を取り巻いてそこここに在る君のかけらが

飲んだ酒、そのまま目から出てきたわ冬の星座を滲ませただけ


短歌 【短歌祭参加作品】星の音 Copyright 一代 歩 2005-10-29 01:30:26
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