心はお肉
k o u j i * i k e n a g a

心が肉のかたまりだったらよかったのに
ロースみたいなきれいな肉じゃなくて
内臓、モツみたいな
ぬめぬめしたモツミックス200?の

心が頭のなかにあるなんて、
あんなすかすかでプリンみたいな
脳味噌のなかにあるなんて思わない
さわれるものじゃないと、俺はいやだ

かたちのないものにふれようとして
失敗して命を落としてきたすべての
お姉さんたちのために俺は祈る、
俺は肉でできた心を直につかんで
ムニュムニュしてやる

本当は女の子の二の腕やおなかのお肉をつまんで
ムニュムニュしたいし、それはとても楽しい、
だけどいくら辛いことでも
あの黒ずんでいたり、紫色だったりする、
あの無駄に大きな肉の心を勇気をだして
つかんで
そして、

誰かのことを憎んだときには苦い汁を、
どうしようもなく臭くて苦い汁をぴゅっと吐き出し
誰かのことを愛するときには暗闇で、
暗闇で静かにか細くぼうっと光り
そのようにして肉の心があってほしい

遠くの町で誰かが苦しんでいるとして
心の中にあって苦しみもまた、さわれないのなら
どうかせめてそれが、ひどい色と臭いでありますように
そうすれば周りの誰かが気づきやすいから
心が肉のかたまりだったら、ほら、
こんなに便利!
ちょっとにおうけど


自由詩 心はお肉 Copyright k o u j i * i k e n a g a 2005-10-28 00:43:41
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