論文提出にまつわる些事
こたろう

C'est un aquoiboniste
Un faiseur de plaisantristes
Qui dit toujours a quoi bon
A quoi bon

ちゃんとそれらしいものにしました。
だから意気込んでいました。

プリントしようとしてフリーズしたけど、たった一度のことさと自分に言い聞かせて気持ちを落ち着けました。

でもまたすぐにフリーズしたのです。

そしたら今度は「インクがありません」って。

Un aquoiboniste
Un peu trop idealiste
Qui repet' sur tous les tons
A quoi bon

先週買って、70枚程度しか印刷してないプリンターの、インクが切れるかよ!

だからカートリッジをはめ直したりしました。

「インクがありません」

もう一度、カートリッジをふったりしてはめ直しました。

「インクがありません」

 ユーモアとは、道徳的曖昧さの内に世界を照らし出し、他者を裁くことの全き不可能性の内に人間を照らし出す神聖な雷光だ。ユーモアとは、人間に関わる事柄の相対性がもたらす酩酊だ。確かなものなどないという確信に由来する奇妙な喜びだ。(クンデラ『裏切られた遺言』より)

インクが出口で固まったんかな、と思って近所のmonoprixに買いに行きました。

でも売ってませんでした。

サンラザまで行ったら時間的に確実に持っていけないので、一度家に帰ります。

Un aquoiboniste
Un drol' de je m'enfoutiste
Qui dit a tort a raison
A quoi bon

カートリッジをふったり入れ直したりしてみました。

ようやくまともに印刷できます!

イントロ印刷中にフリーズ。

第一章印刷中にフリーズ。

第二章印刷中にフリーズ。

表紙を印刷しようとして二度フリーズ。

Un aquoiboniste
Qui s'fout de tout et persiste
A dire j'veux bien mais au fond
A quoi bon

第三章を印刷しようとしたらば、紙がありません。

 人間的偉大さの美しき幻影を見せることで、悲劇は私たちを慰めてくれる。喜劇はもっと残酷だ。それは突如としてすべての事柄の無意味さを暴きたてる。(クンデラ『小説の精神』より)

フリーズのおかげで時間も押し迫っています。

monoprixまで往復で20分。

時計の時間に加算してみます。

4時40分。

担当教官が学生を受け入れるのが5時まで。

自分ちから大学まで40分。

印刷にも10分くらいかかるでしょう。

無理ですね。

Un aquoiboniste
Qu'a pas besoin d'oculiste
Pour voir la merde du monde A quoi bon

ええ、無理でした。

紙を買って、帰ってきた時点で5時まわってましたしね。

だってレジが混んでたんですもの。

 私の人生の出来事すべてが、絵ハガキのいまわしい冗談、あの偶然、あのナンセンスに端を発していたからにはそれが何の役に立つのか? 誤りから発生した事実も、真実から必然的に発生した事実を同じように現実性を持つのだ、と気づいて私はぞっとした。(クンデラ『冗談』より)



自由詩 論文提出にまつわる些事 Copyright こたろう 2005-10-26 09:07:10
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