ゆっくりと私たちは
アンテ

仮想遊園地へ行った
こっちこっち
手を引かれるまま
仮想の列にならび
きゃあきゃあ歓声をあげて
仮想ソフトクリームを頬ばって
どっかり
仮想ベンチに座り込んだ
お弁当持ってくればよかったね
錆びた仮想柱
仮想コーヒーカップ
まわる
マワル
あなたは大きなあくびをして
仮想空を見あげた
つぎ
なに乗ろうか
じゃあ
あの観覧車がいいな
仮想カゴに乗り込むと
仮想扉がしまった
ゆっくりと
私たちは昇っていった
仮想遊園地
窓に額を押しつけて
仮想人があんなに小さく見えた
となりで
あなたが笑った




自由詩 ゆっくりと私たちは Copyright アンテ 2005-10-25 22:45:46
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