おはよう
tondemon

おやすみには
まだ早い夜
とおいとおい
朝を思って
みんなの夢に
思いを馳せる

ふかいふかい
ねむりのなか
そのなかに
すべりこんで
くらやみから朝を
みつめている

眠れない夜
取り残される前に必ず
ベールの中の君を
夜が攫っていくだろう
おやすみを言い残さないために

だれかが呟いた『おやすみ』の後
とおくとおく
夜が羽ばたく
流れる星よりも早く
誰にも朝日がやってくる

誰かが呟いた『おはよう』
君の額を風が撫ぜる
まだ柔らかいのは日差し
君の寝顔に吸い込まれて
煙のようにたち昇った

おはよう。


自由詩 おはよう Copyright tondemon 2005-10-17 19:14:20
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