ひだま
raura u

そのようにして はじめから
定められた格好で
まくらもとのわずかなひだまりに
いすわりつづけていた
手をのばすだけ だ
きちきちと 電球 ちらついて
すきまだらけのカーテン
窓越しのすなあらし
ざあああああ
なないろがもえているの
ざあああああ
むらさきときいろがゆずりあえなくて
あかは負けたがり
あおはけなげで かわいかった
あああ ざああ あ
でも ぜんぶ くろ

ひくい天井 で もろい
たかい天井 で がんじょう
むかいあわせになって 待った
まだきこえないうたのこと
夜越しのあまぐも
あめはなし
つづきはなし
おわりもなし
とじこめられてんだ そんで
こわれたままのタイムマシンは
土手にころがって しなだれていた
じっとりとして
虫たち いない
あめんぼ いない
あまだれぼうやも いない
ゴムボールはピンク はずんで
ぼうやのあしあとさがしても
いない いない ぼうや
あれは天井だから
背伸びもしない
とじこめられてんだ そんで
きこえないうたのこと
待ってた

もえちゃった タイムマシン
ごうごうと 泣いた
残されたのは土手
ひくい天井
たかい天井
てをのばすだけ だ よ
すきまからきこえた
ざああ ざああ あ

はじまりにあった だれか
おわりだった みんな
はじめからのこと ぜんぶ
ききたかった なんて

待つんじゃねえ よ
ひだまりだったよ
まくら じっとりとして
手を伸ばすだけだ

だいだい とぎれて
みどり わめきだして
あい
かくれた

ぜんぶ
くろ

あああ あ



もえているの

ちゃったの



自由詩 ひだま Copyright raura u 2005-10-16 16:51:57
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