呪物
まどろむ海月


じゅぶつをつくってごらんって
くりはらせんせいが こっそりおしえてくれた
おとなになって たいせつなひとができたら
そのひとだけにみせるんだよ

すてられてあったもの
たぶんほかのだれもひろわないようなもの
それなのに きみがたいせつにおもえるもの

それでぼくはあつめはじめた

まえからもっていたのは 
ごむのぴょこたんがえるのこわれたの
ひからびて めがないの
てとかおのはんぶんがとれて
うごかないろぼっと
ぷらもの ひこーきのはねと
たまむしのはね

ぶあついがらすの かけらはきのうひろった
ほーせきだってこんなにはひからないとおもう
きょうは きらきらひかるせろふぁんのきれはし
なにかのつつみがみだったのかな
しわとまがりぐあいがきにいった

じんじゃのうらで はんぶんこげたおみくじをひろった
なにかわけのわからない おはかにあるようなもじがかいてあったよ
なんだかこわいな

ほかにもあるけどつかれるからまたこんど

ひびがはいってはげたうるしの
ちいさなはこをみつけたから
みんなそれにいれとくんだ

でもほんとうはかべのしみとかひびわれもいれたい
くもや やまや かみなりや かわや 
いろんなかおや どうぶつや かいぶつや ゆうれいや
いろんなものにいっぱいみえて
ぼくいつまでみててもあきないんだけど
やっぱりあたまおかしいんかなあ

あしたから らじおたいそうか

くりはらせんせいなんでしんだのかなあ
ぼくはすきだったのに

くりはらせんせいは じゅぶつ
たいせつなひとに みせられたのかなあ












自由詩 呪物 Copyright まどろむ海月 2005-10-16 11:18:37
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