レディバグ
蝶番 灯

幸せを求めて逃げ込んだこの世界では

数倍もの涙が流されていた

所詮此処には何も無い

現実に背を向けることしか出来ない


嘆いている

たくさんの人が 憂鬱を 謳歌している

ずっと それを見つめて来た

あたしが何を感じているとか

何でこんなに悲しいのか それぞれ

今になって意味が無い

もっと それらよりももっと あなたが大切だから


あたしの言葉だけでは 救われないと知っている

それでも 光の方へ 愛の咲き乱れる方へ

僅かな幸せを拾い集めて行く

あなたが時々見せる笑顔を

生きる糧にして


悲しみを消化する為に紡いできたのに

ただ言葉を絞り出すだけでは

自分を甘やかしてしまうだけ

幸せの糸口も見つからないまま


空回っている

あなたの本当の 気持ちを 掴んでみたい

ずっと それを繰り返して来た

実は気付いている事があるのに

いつもそれの姿を捉えられないのか

でも それでも構わないんだ

もっと それらよりももっと あなたが大好きだから


遥か向こうから降り注ぐ 陽光へと手を伸ばす

それでも 冷たい雨や 向かう風の吹き荒れる日には

あなたの幸せを 静かに祈っていよう

あなたがこんなにも悲しむ夜は

同じ気持ちになる



胸がきつく強く締め付けられる時もある

全てに愛想が尽きる時もある

そんな時あたしに何が出来るだろう

悲しい人間に 幸せは歌えない

幸せな人間しか 悲しみの存在を

知る事は出来ない



初夏の日の天道虫の様に

光の方へ 愛の咲き乱れる方へと

今日も そう 今日も

僅かな幸せを拾い集めて行く

あなたが時々見せる笑顔を

転がってる たくさんの涙を

何よりあなたを

思っているよ 嗚呼 そんな情景を


生きる糧にして


自由詩 レディバグ Copyright 蝶番 灯 2005-10-15 22:59:43
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