天使

「あなたは私の影みたい。いつも側に居て私のことを何でも知ってる」

そう言って 微笑む君に苦笑する僕


君のことは、何年も前から好きだった
少なくとも幼なじみとしてではなく
異性としての恋をしていた

けれど 「影のよう・・・」と言われたら仕方ないね

確かに君の事はよく一緒にいたし 知ってることも多い
けれど・・・僕が「影」なら 結局は何も出来なかったんだね

影は抱きしめることも 慰めることも出来ない
僕はそう言う存在なんだね

やっぱり仕方ないのかな・・・
ずっと一緒にいすぎたんだよ
だから「愛」とか「恋」にはならないんだね

二人ずっと一緒だったから 近すぎて触れてはいけない気がする・・・
結局はお互いを知りすぎたんだね
そして 見えすぎたから 見えなくなったんだね

しかたないよ・・・やっぱり僕は影のようなものだ
けれど この気持ちはきっちりと伝える気だよ

それで君とは慣れてしまっても
「それだけのものだった」とあきらめる

「もしも・・・」の可能性があるなら ぶつけてみる

君はきっと困るだろうね 君はきっと驚くだろうね
君ももしかして同じ想いかもしれないね

僕は「影」という存在じゃなく、君が必要とする存在になりたい


だからこそ 君を守り 君をもっと知りたい

僕は影じゃない 君の隣りにいる 一人の男だ


自由詩Copyright 天使 2005-10-13 23:27:01
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