濁流
大覚アキラ

ギターの弦を
思いっきり緩めて
今日が明日に変わる瞬間の
その境界線上に
そっと置いてみな

弦を弾くと
その揺らぎが
その振動が
今日と明日の境界線を
ぼやけさせて
曖昧にしてゆく

今日と明日が混ざり合って
濁る
濁ってゆく

ほら
時間は液体だということが
今まさに証明されたわけだ

濁った液体の中を
踊るように泳いでゆく
そうだ
その調子で
忘れてしまえ

踊れ
考えるな
踊れ
すべて忘れてしまうまで
踊れ


自由詩 濁流 Copyright 大覚アキラ 2005-10-13 03:09:52
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