殻ー(XXXI)
本木はじめ

たぶんぼくはぐちゃぐちゃのどろどろのけつえきのかけめぐるたいないのはじけるだろう


傷口を更に深める部屋を出てぐいっとひらく赤い雨傘


ドライヤーで髪を乾かすときに目を閉じる あなたの闇は何色?


十月、雲と雲の合間で座礁している青い鳥を疑ふきみ


英国の国語は英語だけど嗚呼、肌色はなんと呼ぶのだろう


もう何も疑わないと決めたから迷彩服は焚き火に投げる


あかとあおときいろでやみがうまれますあかとあおときみどりがひかり


茶色いとゆうけれどお茶の色聞かれたら緑って言うそれはそれ


不思議な殻痕だね螺旋状に渦巻いているよ、もう空が血まみれ


あやふやにすればするほどはっきりとぼくらが失くしたぼくらが映える







ピッピさん『殻ー(?)』よりタイトル拝借。






短歌 殻ー(XXXI) Copyright 本木はじめ 2005-10-05 02:16:24
notebook Home 戻る