ノリック優勝
あおば

                   
一昨日の日本GP
500ccレースのファイナルラップ
最終シケインの突っ込みで
阿部典史は、
後輪が滑ったから抜かれたと思った
だけど、K・ロバーツのタイヤも減っていて
その隙を突けなかったわけだ
だから、最終コーナーはうまくインに回り込み
谷を吹き抜ける、ミラージュよりもすばしこく
アクセル全開でたち上がって来た
だから、みんな勝った、勝ったと確信できた
大歓声で迎えたんだ
完璧な勝利だね
ノリックほんとに良かったね
ほんとに優勝おめでとう

それでね、レースを見ていて
いま気がついたんだけど
前方後円墳てなんだか分かったんだ
大昔の文明圏で流行っていた乗り物なんだ
墓が行くってのは冗談だけど
反重力コントローラー内臓の
小型高速低徊機のデザインなのだ
当時の日本では真似することも出来ないので
権威の象徴としてかたちを借りるしかなかったんだ
ピカピカに輝いて音もなくスムーズに
風のように低空滑走する姿勢
誰もが羨望の眼で追ったものだ
ぼく達が、
今のノリックを見つめる様にね
     




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作2001 4.12
初出 「詩人ギルド」のテーマ投稿「このゆびとまれ」、テーマ「前方後円墳」


自由詩 ノリック優勝 Copyright あおば 2005-10-05 01:21:45
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