スプートニク2号における死の考察
HARD


呼吸を停止し
心臓を動かすことも止め
脳もまた働かせることを止める事である


草木も死ねば土の上に倒れ
鳥も死ねば土の上に倒れ
魚も死ねば海底に倒れ 
あるいは打ち寄せられ砂浜に倒れ

みな同様に地球の一部となっていく
母なる地球の大地に吸収されていく

人間の好奇心のために宇宙に発射された
スプートニク2号のクルー 犬:シベリアンハスキー メス 名前クドリャフカ

彼女は地球上の生物の誰よりも先に宇宙的孤独を体験し
彼女はガガーリンよりも先に青き地球を目撃した

だがスプートニク2号の運命に「地球に帰還する」という項目はなかった
同様に彼女も人間の好奇心によって 宇宙船と運命を共にする事となった

大気圏で燃え尽きた 犬と宇宙船


それはundergroundへ引越しする事
誰も例外になく大地の地下へと引越しする事

それは自然の 自然的な 法則

彼女はその絶対的な鎖をすり抜け
宇宙と空気の間で体を燃やしつくし
永遠の迷い犬となった

彼女にとって 死はなんであったろうか
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参考リンク http://www15.cds.ne.jp/~ant/fm/sputnik/sp2.html


自由詩 スプートニク2号における死の考察 Copyright HARD 2005-09-27 23:12:51
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