鳩降る広場で
たりぽん(大理 奔)

何か空腹を満たすものはないかと
見上げた空は午後だ
トンビがビルの屋上で踊る


薄色の羽根が舞い散る
猛禽が食らっているのは鳩


同族の羽根の降る中
広場ではポッポーとのんきに
パンくずをねだる彼等


生きることに精一杯だから
本当に生きる事だけだから
仲間の葬式出すこともない


鳩に恐怖して、振り仰ぐと
猛禽が円を描いて、まるで獲物を弔っているよう
イヨマンテ! 
鳩はむさぼる平和の鳥!


人間は鳩だね
葬式をする鳩だ


本当の天敵を、どこかに忘れている
ぼくが空腹を忘れてしまったように




未詩・独白 鳩降る広場で Copyright たりぽん(大理 奔) 2005-09-27 23:12:45
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