ボディ & ソウル
suzu

ある春の暖かい日

四人の子供の頭、腕、足、胴をとって繋ぎあわせて

新しい五人目の僕が生まれた

頭のなくなった子供

腕のなくなった子供

足のなくなった子供

胴のなくなった子供

四人の子供たちは僕という新しい友達が増えたことを喜んだ

一人の子供が「河原で遊ぼう」と言い出し

僕らは河原で遊んだ

日が暮れて遊び疲れると

一人の子供が僕に「やっぱり返してくれない?」と言った

すると他の子供たちも「返してほしい」と言い出した

せっかく生まれたのに―――

所詮僕はまがい物だ

オリジナルではない

僕は腕と足と胴を返して頭だけになった

元に戻った三人の子供は喜んで帰って行ったので僕は理解した

もうあの三人が僕のところへ来ることはないだろう

後は頭を帰せば僕は消えてなくなる

あれ?

どうしたの?

頭のない子がじっとしている

さあ君も早く持っていきなよ

頭のない子は動こうとしないので僕は理解した

三人の子供たちは体の一部が足りないのは単に不便なだけだから

返してほしがったけど

君は頭がなくても不便には感じないんだね

だから僕はまだ居ていいんだね

僕が微笑むと

頭のない子供は手を振って帰っていった

頭は心

心と体は別々でもやっていける

僕は君の心になったんだ

でもね

心と体がずっと離れ離れだと不安定になるから

そのときはこの河原でお話をしよう

僕は川の流れを見つめながら

君が来るのを待っているよ














自由詩 ボディ & ソウル Copyright suzu 2005-09-23 06:41:32
notebook Home 戻る