しっぽ
辻野克己

また
しっぽが
挟まれた

自動ドアが
わたしのしっぽを
認めない

管理人さんが
困ったねえ
と言って
ちゃんねるを変える

新しい服を
買って
穴をあける

埋めるように
しっぽが通り
丸い布を
缶に入れる

雨が降り
湿気に
しっぽが
曲る

電車に
挟まれ
ぬれた
しっぽ

つめ切りで
爪をきる
ヤスリで
きもちみがく

入り口で
挟まれる

わたしのからだ

故障してんだ
と言って
おじさんが
笑う



自由詩 しっぽ Copyright 辻野克己 2005-09-20 17:55:03
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