場違いな恋
天使


小さく丸くなった 白い息を吐きながら 

君の肩を抱いて 「大丈夫だよ」と呟く

君は涙して 小さくうなずく

そんな君のことが どうしようもなく愛しくなった

冷えきった君の体を 包むように抱きしめて

寒さを言い訳に 抱きしめた

君の白くて小さな掌は 細かく震えて冷たい

その手を僕は ぎゅっと握り締めて

「大丈夫。僕がいるから。」

なんて言って 君の弱いところに漬け込む言葉

僕は卑怯だね

本当は同情してただけだった

だけど今は本気で 君が好き・・・

その言葉は まだ君には言えない

言葉を飲み込むと同時に 君をぎゅっと抱きしめた

君は泣きつかれ 寝てしまった夜

君を寝かした僕は その寝顔を見つめて

ため息を一回ついた

もう一回ついた

そして「ごめん。」と言って

キスをした

ホント最低だね

そんなこと分かっている

君がすきなのは・・・・ボクジャナイ

そんなこと分かってる

分かっているけれど

どうしようもないこの気持ち

押さえ切れなかった

君の弱さに漬け込んで

僕はホント最低

けれど僕を見て?

「君を愛している」

あの男よりも 君を幸せに出来る

それなのに君は どうしてあんな奴を

ずっと見ているの?

「君を愛しているのに・・・」

君を傷付けた奴だろ?

そんな奴 早く忘れて

僕だけを見てよ?

「君を愛している。」





自由詩 場違いな恋 Copyright 天使 2005-09-18 00:32:29
notebook Home 戻る