*残暑日和*
かおる

鈴虫が苦虫をつぶしたような
カンカン日照りの昼下がり

スーパーではサンマが大漁で
大根おろしもスダチも準備万端
秋を味わう食卓に登るのを
今や遅し と待ちかねている

鰯は豊漁旗の漁師さんと追いかけっこ
遥か彼方から見下ろしてひっそりと
蒼いお空で悠々とたゆたい三勝二敗一引き分けの模様 

気の早い暦ばかりが秋だと騒いでる訳ではなく

夜と昼との境界線の綱引きも今がたけなわなようで
ウサギの応援団長は弓張月の船の上
大きく団扇を振り上げてまんまるになぁれと企んでいる


自由詩 *残暑日和* Copyright かおる 2005-09-13 20:33:24
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