ナナコ
青色銀河団

ナナコ。
みぞれ落ちる午後の日差し。
聖霊の結晶のきらめき。
その名を呼べば、
ナナコの声、
遠い海の向こう側からやってくる。

ナナコ。
誰もが初めての場所で
誰もが初めての呼吸を
呼吸をすると、
自分の生まれついた
星の名前すら忘れてしまう。

だから
ナナコ。
行方不明になったお前の声は
いまでも明るい夏の底で
ゆれている。



未詩・独白 ナナコ Copyright 青色銀河団 2003-12-27 13:25:11
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