浮き雲
umineko

去年の年賀状の返事も出さないうちに
また来年がやってくるというのか
引っ越してからまだ一度も
開けていない段ボールがひとつある
正直怖い

お引っ越しのお祝い返し?
オノレはキャンディーズか

つながる速度は加速度に速く
そしてもろい
肉体は朽ちていく
君の魅力がこぼれている

そこが川土手の草っぱらでなくても
ありふれたベランダのデッキチェアでも
狙いすましたオープンカフェの
奥の席でも

寝っころがって さ
あー
なーんか
のんびりするよー
そういって

ほんとうに
なんにもしゃべらず
それを浪費と呼ぶ人は去ればいい
君も
たぶん望んでいるんだ
もう
何だっていい午後の日ざしは
ゆるやかに傾いて

ことば とか

それはただの前置きであり

携帯も
瞳もオフで

僕らはぽっかりと浮かんでいる

君の前世は 
雲 だったね







未詩・独白 浮き雲 Copyright umineko 2005-09-01 23:34:56
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