星占い
F (from send-ence)

たまたま見た朝の星占いによる
爽やかな目覚めを台無しにする宣告に対抗して
わざと恋愛に失敗してみようと思ってみたが
この惑星にはおおよそ1/12じゅうにぶんのいちの同志達がいることを重くみて
踏みとどまった

1/12の同志達と共に旅に出る
しかしヒツジの毛が本当にモフモフかどうか確認し損ねたので
ヒツジの素晴らしさを迷いなく主張する自信はない

そうなのだ
私はヒツジの事をどれほど知っているというのだろう
知っているのは
ヒツジはウシ科の動物であり
頻繁にヤギと間違われてイライラしている
ということだけだ

紆余曲折を表す曲がった角が
誰かを傷つけてしまうかもしれないという問題については
ヒツジ自身の「誰かを傷つけたい」という気持ちの有無に任せ
私を含む1/12の同志達はヒツジに日々を委ねることに決めたのだ

ヒグラシが夜を呼んでいる

さぁ
柵の中のヒツジではなく
空に放たれたヒツジの出番だ
しかし同志総動員で探したが
空のヒツジはどこにも見当たらず

このままでは落ち着いて眠りにつくこともできず
柵の中のヒツジの目覚めを待つしかなくなり
1/12の同志達は各々の血液型を頼って散っていった


自由詩 星占い Copyright F (from send-ence) 2005-08-31 20:19:09
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