孤独
たもつ



机が坂を滑り落ちる
その形状を保ちながら
机が坂を滑り落ちていく
誰に目視されることもなく
他に滑り落ちるもののない坂を
机が机として滑り落ちていくのだ
ああ素晴らしき滑走!
けれどそれは何をも慰めはしない
いずれ大きな岩に叩きつけられ
大破するだけなのだから
はたしてその机は木製であった
と翌朝記事は伝えた




自由詩 孤独 Copyright たもつ 2005-08-31 17:23:04
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