隠れる湖
からふ

みかがみが
てらり、と照らすので
波紋がまぶしそうに空気をつたっていく
みだれ飛ぶひかりがひとしずく
手のひらに落ちた
代わりにチェリーをひとつぶ落として
みなもを揺らし、くり返す

淡く、木の葉
どこからか
春を探している
季節外れの果実を飲み込んで
もういいよ、きらり光る

荒れた草原の真ん中に
それはありました
さればこそ、いっそう
太陽と共鳴するのでした



自由詩 隠れる湖 Copyright からふ 2003-12-25 19:39:36
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