【批評ギルド】駄作
Monk
君のフェラチオは駄目だ
駄目ではないが、駄目だ
思ったとおり
君がしそうな顔で
そのままで
君ではない、感じがしない
バスのことを考えている
とりあえずは、だ
その中で僕は傘のやり場に困っている
座席には規則的な波が襲う
雨が降っていてもかまわない
財布に十円玉ばかりでも
いや
そういうわけではない
飽きている、わけでも
退屈な生活、というわけでも
バスの窓を通過する街並みに
気がつけばあなたの姿を探す
そんな詩をわざわざ作るつもりも
君、を
この女、と呼ぶ
この女のフェラチオは駄目だ
視線の先
天井を見つめながら僕は
こんなところに詩情はまったくないと思う
わかっている
どのみち僕は精液を出す
満足し、脱力するだろう
だから駄目ではない
哀しい顔をしないでくれ
そういう目的ではなかった
「バスの中で」
この女のフェラチオは駄目だ
規則的な振動に揺られながら
窓を通過してゆく街並みに
ふと君の姿を探す
この女のフェラチオは駄目だ
それでも僕はのけぞり
薄汚れた天井を見つめてしまう
そんなところに欲しいものはまったくなかった