【批評ギルド】『a song(未完)』 六崎杏介
Monk


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パステルナース!
魔法少女の主題歌としては漢字多すぎ。あと嗚呼とか言っちゃだめ。
魔法少女の主題歌じゃなくてほんとうによかった。
関係ないけど六崎さんはラジオ体操の歌とかを書くといいですよ。
今時の子供達は「ったく朝っぱらだるいんだよ!わかる?俺ら、
もっと刺激を求めてんの。SI・GE・KI。なんだよこの色気もへった
くれもない曲は、わかってんのかこのハゲ」って感じで「コラァァ、
言葉遣いが悪いですよ!ハゲとはなんです!薄毛のかたと言いなさ
い、薄毛のかたと」と先生もたいへんなわけです。だからラジオ体
操の歌を書くといいですよ。

ああでもこの作品はあまりセックスアピールはないですね。どっち
かというと理屈っぽい感じ。けっこう難しい顔して歌う歌ですよ。
眉間にしわを寄せて。ピンライトオンリーの舞台で。でも舞台の脇
に置いてあるのは解きかけのクロスワードの本だったりして。タテ
の6がわからなくて一晩中悩んで悩んでもうだめだっ、とそんなと
きに出来た曲です、聴いてください、a song。

難産型ですかね。
途中にもうけられた「   」も含めてバランス取るのが大変そう
ですが、韻erとしては逆に書きやすいのかなとも思います。ナース
の締めはなかなか美しいと思いますよ。パステルナース!いえ、気
に入ってません。全然気に入ってませんからパステルナースに誓っ
て。
で、途中にもうけられた「   」ですが、やはり何かをここにう
めろということでしょう。作品の最後でも声を所望されてますから。
これは巻き込み作戦です。作戦と書くと怒られそうな気もしますが。
そんなに斬新な方法ではないですが、六崎作品でこれをやるとなか
なか絵になる気がしました。僕は前の作品批評でも書いたのですが
六崎作品は読者に対する挑戦が含まれていると思うので、「  
 」もひとつの挑戦なわけです。しっかしこの中に何入れても「あ
あ、そんなのでいいんですか」とヤレヤレ感漂わせて言われちゃい
そうな気がします。かなりずるいです。ある意味むかつきます。
この最後の

> 私はあなたの声が欲しい 私はあなたの声が欲しい。

が、本当に「欲しい」と言ってるのか疑わしく思ってしまうからで
す。「欲しい」だけなら、はいあげます、と手渡せばいいのですが、
どうも手渡したあと品評会にかけられそうな、なんか全身に音符が
描かれたスーツを着こなした紳士連中どもの目にさらされそうな。
被害妄想かもしれませんが。
ただこれが被害妄想だとして、そういう被害妄想を抱かせるところ
がすごいなと思います。二度は出来ない手段ですが、読者を巻き込
むのに十分です。そういうあざとさは僕は大好きですね。

とまぁ、僕もずいぶんひねたコメントを書いてますがそれはもう諦
めて下さい。この作品はそういう仕掛けを含めた「形」として良い
作品だなぁという結論です。ちなみに文章だけなら六崎さんの別の
作品「LHLH#6」のほうが好きです。色っぽいです。僕もまだ
中学に入って間もないので色っぽいものにどうしてもひかれてしま
うのです。高校に入ったら直したいと思います。


追記

僕なら「   」で、絶対笑いを取りたいです。



散文(批評随筆小説等) 【批評ギルド】『a song(未完)』 六崎杏介 Copyright Monk 2005-08-21 03:44:31
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