処暑
落合朱美



洗車用ホースで水の弧を描けば重なる虹の橋ふたつみっつ


あきらめの悪い蜩夏の背にしがみついてうわぁんと泣いて


初嵐小昼の庭を吹き抜けば夏痩せのポチ鼻先で追う


稲の穂がそろそろ頭を下げはじめ礼儀正しく秋を迎える


夕暮れがすこし早くなったからすこし長く手をつないでね





短歌 処暑 Copyright 落合朱美 2005-08-20 20:53:14
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