眠る夏
あおば


あの日も
この日も
眠たくて
午前三時になりますと
まんまるい
おやつの氷が溶けるので
風呂桶に蓋をして隠れます

水を入れられ逃げ出すと
薄目を開けたお日さまが
よっこらしょっと顔を出す

残暑で混んだ電車内
居眠りする少女たち
右や左に振り子のような
つぶらな瞳で首を振る
ケータイ電話は知らん顔
セミが鳴くから夏だけど
あの日もこの日もぐっすりと
過酸化水素の夢を見る


自由詩 眠る夏 Copyright あおば 2005-08-20 01:08:12
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