A道化







例えば、ゆるゆる喉を下る
ぬるい水、ひとかたまり
心臓を掠めそうで掠めない
何処にも、何も、満ちない


真昼を怠りたくて怠る身体では
空ろまで無気力な
ほら、一本の排水管だ
何処にも、何も、満ちない



たった一枚の西日で真っ白に砂漠化してゆく床
眩しさの感覚と、泣く寸前の痛みとを
混迷して疲労するのには飽きたんだ
わたし何がしたいのか、何処へ行きたいのか、ああ、わたし
わたし、ただ、ぐったりしたい


ゆるゆる、何もかもがただわたしを通っている
きっと何もかもが、ゆるゆる、わたしを下っている
目にも留まらぬ、ぬるい速度で


真夏を怠りたくて怠る身体では
空ろは無気力で、ずっと空ろ
いつまでたっても、少しも
駱駝にはならない



2005.8.18.


自由詩Copyright A道化 2005-08-19 01:20:06
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