残された もの
砂木
安全ピンに とめられた
近くで 鼓動が聞こえる
建てられた家の壁の 奥
にぎやかな笑も 枯れて
この 残された クサビだけが
奪われたものに対する こたえ
やがて 消えた鼓動の 奥に
かえれない 報い
切れた 息
振られ続ける 旗
壁がくずれ ピンが朽ち
死骸は 吠える
自由詩
残された もの
Copyright
砂木
2005-08-12 07:01:21