灰色の目　黒い翼・・・・

人々は彼を悪魔だという。

けれど・・・彼は、天使よりも心優しい美しい姿をしている





彼は、残酷な殺しも、憎しみも、何もしないのに・・・

ただ、翼が黒いだけで悪魔だと決められた。




「おい！悪魔がきたぞ！殺せ！！殺せ！！」

ある日、小鳥が傷ついて飛べなくなっていた。
けれど、この傷を治せるのは天使しかいなかった。
だから、黒羽（くろは）は天界へといった。
けれど、そこにいた天使たちは何百人も集まって黒羽を囲み始めた。

「悪魔だ！殺せ！殺せ！！やれ！！」

「違うんだ！この鳥を、助けてやって・・・・・おねがいだぁあああ！！」

黒羽は天使たちの剣でいっせいに刺された。

「何で・・？どうして・・・？この鳥を・・・助けて欲しいだけなのに・・・。
　　　どうして？お前らは天使だろ・・！？この鳥を助けて・・・・・・・。」






白い羽を持つ天使たちは、黒い羽を持つ優しい悪魔を
殺して青い空へと笑いながら
飛んでゆく・・・・・






「この僕の羽が、黒いから。汚れている色だから
　　　　君のこと助けられなくて・・・ごめん・・・・」




天使たちは笑いながら、青い空へと飛んでゆく・・・
僕はただ、小鳥を助けて欲しかったのに・・・




黒い羽が悪魔だと？汚れている羽だと？
誰が決めたんだ？誰が言ったんだ？

白い羽の天使のほうが、残酷だと思わない？
天使だからと、白い羽だからと行って、どうして正義になるの？

傷ついたこの鳥さえも治してくれない
むしろ笑いながら飛んでゆくこの天使が
どこが正義なんだ？

わからない。僕は分からない。




黒い羽だからって　何が悪い・・・？